「ちょっと、良美。記念撮影するからおいでよ」
美咲が良美に手招きする。
「静のお父さんが撮ってくれるってさ」
小走りに駆け寄る良美が、ありがとうございますと静の父親に挨拶をした。
静の左隣に良美がくる。いつものポジション。3人とも配置が決まっているのだ。
静が真ん中で、右に美咲、左に良美。修学旅行の時も、廊下を歩く時も変わりは無い。
美咲は、眼鏡をかけ直し、静の肩に手をまわす。
「ちょっとぉ、美咲ぃ。重いって」
「いいじゃん。ほんとは、組体操したいぐらいなのよ。三馬鹿トリオ、最後の運動会なんだし」
そういいながら、力を緩めるのが美咲らしい。
良美は、グーから親指を立てて、静の胸元に持ってきた。
「今日の良美は積極的だ」
美咲の一言に、良美はちょっと後ろに下がったが、手は動かさない。
静は笑う。今日は、最後の運動会なのだ。
高校を卒業してしまえば、三馬鹿トリオは一時解散する事になっている。
各々の進路は、当然ながら違う。でも静は思うのだ。
もしかしたら、何年後かに今日の運動会の話を3人そろってするかもしれないと。
その時は、きっと洒落たカフェで子供を抱いているかもしれないと。
「旦那の悪口とか言いながらね」
小さく漏らした言葉は、美咲と良美には聞こえなかった。

美咲が良美に手招きする。
「静のお父さんが撮ってくれるってさ」
小走りに駆け寄る良美が、ありがとうございますと静の父親に挨拶をした。
静の左隣に良美がくる。いつものポジション。3人とも配置が決まっているのだ。
静が真ん中で、右に美咲、左に良美。修学旅行の時も、廊下を歩く時も変わりは無い。
美咲は、眼鏡をかけ直し、静の肩に手をまわす。
「ちょっとぉ、美咲ぃ。重いって」
「いいじゃん。ほんとは、組体操したいぐらいなのよ。三馬鹿トリオ、最後の運動会なんだし」
そういいながら、力を緩めるのが美咲らしい。
良美は、グーから親指を立てて、静の胸元に持ってきた。
「今日の良美は積極的だ」
美咲の一言に、良美はちょっと後ろに下がったが、手は動かさない。
静は笑う。今日は、最後の運動会なのだ。
高校を卒業してしまえば、三馬鹿トリオは一時解散する事になっている。
各々の進路は、当然ながら違う。でも静は思うのだ。
もしかしたら、何年後かに今日の運動会の話を3人そろってするかもしれないと。
その時は、きっと洒落たカフェで子供を抱いているかもしれないと。
「旦那の悪口とか言いながらね」
小さく漏らした言葉は、美咲と良美には聞こえなかった。

